第4期狭山市地域福祉活動計画(素案) 人が人をささえみんなにやさしい元気なまち 〜みんなでつくる「ワクワクする『ふくし』」〜 (令和3年度〜令和7年度) 令和3年3月 第4期狭山市地域福祉活動計画策定委員会 社会福祉法人狭山市社会福祉協議会 目次 第1章地域福祉活動計画とは 第2章第4期地域福祉活動計画の概要 第3章体系、基本目標及び具体的な活動事例・取組例 基本目標1「ひとりぼっちをつくらない地域づくり」 基本目標2「誰もが安心できる居場所がある地域づくり」 基本目標3「誰もが役割・生きがいを持てる地域づくり」 基本目標4「互いの理解が深まる地域づくり」 第4章さやまプロジェクト プロジェクト1「つながり」のバリエーションを増やそう プロジェクト2みんなの居場所を増やそう プロジェクト3新たな「ふくし」人材と知り合おう プロジェクト4福祉圏域における地域福祉のプラットフォームづくりを進めよう 第5章地域福祉活動計画の推進と評価 用語集 資料 第1章地域福祉活動計画とは 1地域福祉活動計画の性格 「地域福祉」とは、誰もが安心して住み続けられる地域をつくるために、 住民や各種機関・団体、行政などがお互いに協力し合い、 人々が暮らす上で生じる様々な生活課題の解決に取り組む考え方です。 「地域福祉活動計画」は、その地域福祉を実現するために、 住民一人ひとりが地域における生活課題を自分のこととして捉え、 その課題の解決に向けて、つながりづくり、支え合いの輪の構築、 生活支援の仕組みづくり、社会参加の促進など、 地域で取り組むことを具体的にまとめた行動計画です。 2地域福祉における今日的な課題 自治会や民生委員、住民の一部の中で問題意識のある人だけに頼った地域づくり 活動者(団体)の孤立感 つながりの希薄化(しがらみへの忌避感) 人生100年時代における地域での居場所と役割の創出の必要性 支える側/支えられる側という一方通行での考え方 社会的孤立 過度な自己責任論など 急速な少子高齢化や人口減少が進む中で地域社会の持続性をどう考えるか? 解決の方向性 ・福祉(ふくし)や地域のことを他人事にしない意識の醸成を図る。 ・地域共創を図る。 ・福祉(ふくし)で誰もが取り残されない。 また、いきいきと一人ひとりが活躍できる地域づくり・まちづくりを目指す。 魅力的な、住み続けたくなるまちにしていき、それを次世代につなぐ。 3「福祉」と「ふくし」 「福祉」という言葉を聞くと、本来は「福」の字も「祉」の字も「しあわせ」を意味していますが、 「してあげる」や「与えられる」といった弱者救済のイメージを持つ人もいます。 そこで、「福祉」を平仮名で「ふくし」と表して、「『ふ』だんの、『く』らしの、 『し』あわせ」と言い換えることで誰もが共通した「しあわせ」の意味を強調しています。 普段の暮らしの主人公は、他の誰でもない「わたし」です。 普段の暮らしを幸せにするためには、「わたし」自身が幸せであることが不可欠です。 この「わたし」からはじまって、家族がいて、友達がいて、学校があり、ご近所があって、 と同心円に広がっていくと、他人ごとではない、「わたし発のふくし」がはじめられます。 これからの地域づくりを考えていくためには、「ふくし」を進めていくことが大切です。 ●「福」の意味 【意味】さいわい、幸せ、天の助け、神から授かる助けなど。食べ物や着る物があるなど、 物質的な豊かさを表します。 ●「祉」の意味 【意味】さいわい、神から授かる幸せなど。気づかい、安心、安らぎなど、 心や気持ちなどの目に見えない幸せを表します。 4「地域共生社会」の実現を目指した計画の策定 本計画は、令和3年4月1日から施行の改正社会福祉法第4条に規定された「地域福祉の推進」を図り、 誰もが住み慣れた地域で、安心して、自分らしくいきいきと暮らしていく地域づくりに向けて、 地域住民、狭山市、狭山市社会福祉協議会(以下「社協」という。) やその他の社会福祉法人・企業等の多様な主体の協働により、 「地域共生社会」の実現を目指した計画として策定します。 また、「地域生活課題」の解決を図り、持続可能な社会を視野に入れ、 自分たちの暮らしているまちをより良くするための、 住民主体による地域活動を狭山市や社協が後押しするための計画でもあります。 地域共生社会イメージ図 【参考】社会福祉法(令和3年4月1日施行の改正法) 第4条(地域福祉の推進) 地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、 参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。 2地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は、 相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、 社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、 地域福祉の推進に努めなければならない。 3地域住民等は、地域福祉の推進に当たっては、 福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、 介護、介護予防、保健医療、住まい、就労及び教育に関する課題、 福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立その他の福祉サービスを 必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される 上での各般の課題を把握し、地域生活課題の解決に資する支援を行う関係機関との連携等に よりその解決を図るよう特に留意するものとする。 5地域福祉、地域共生社会とSDGsの関係性 SDGsは「誰一人取り残さない(leave no one behind)」 持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。 SDGsの「誰一人取り残さない」という理念は、 地域福祉の理念と近いことから、福祉(ふくし)と連携することでより大きな成果につながる可能性があります。 本計画が目指す地域福祉の推進及び地域共生社会の実現を図るには、 その基盤となる地域住民が生活する地域社会を持続させていくことが大切です。 その「持続可能な目標」に向けて進めていく上で、これからの地域福祉は、 SDGsの取り組みとの関係性について併せて考えていくことが重要となります。 6狭山市地域福祉活動計画の歩みと成果 第1期:平成19年度〜23年度 【主な成果】 社協事業の推進や充実を図ることができた。 また、地域座談会の開催をすることで地区別の地域福祉活動計画の次期作成につなげることができた。 【主な課題】 社協の行う事業が計画の中心となり、地域住民や地域福祉活動団体の活動計画を含めることができなかった。 第2期:平成24年度〜26年度 【主な成果】 目標達成のための具体的な展開として地域住民、地域福祉活動団体、社協、 狭山市(行政)の役割を定めることができた。 支部社協の中長期計画となる支部地域福祉活動計画書の作成ができた。 【主な課題】  策定した計画の推進体制の構築ができなかった。 第3期:平成27年度〜令和2年度 【主な成果】 地域福祉計画との一体的計画を活用して、推進体制を含めて狭山市(行政)と社協とが協働する形で地域福祉の推進ができた。 【主な課題】 横断的に推進する取り組みにおいて、狭山市(行政)と社協との役割分担や責任の所在があいまいになった。 第4期計画へ 第2章第4期地域福祉活動計画の概要 1策定体制 本計画の策定にあたっては、地域住民や地域福祉活動団体、地域福祉に関する学識経験者等から構成される地域福祉活動計画策定委員会を組織し、 狭山市と連携・調整の上で検討を進め、計画策定に取り組みました。 併せて、地域住民を主体とした地域福祉活動を支え、一緒に活動を進める社協として、 本計画をどのように推進するか協議・検討を行う地域福祉活動計画検討職員会議を社協内に設置し、 社協職員によるワークショップを開催するなど、意見の収集を行いました。 また、地域住民や地域福祉活動団体の意見を把握し、本計画に反映させるため、意識調査やパブリックコメントを実施しました。 策定体制のイメージ 2意識調査等の内容 本計画の策定にあたっては、地域福祉に関する調査として狭山市と協働で、 市内に居住する18歳以上の住民を対象とした市民アンケートと、 地域で福祉活動を行う団体を対象とした団体アンケートを実施しました。 (調査結果は狭山市社協ホームペーシに掲載。) また、本計画(案)に対する意見募集(パブリックコメント)を社協ホームペーシ等で行うとともに、 本計画の共有・意見収集を行うため、社協職員ワークショップを開催しました。 @狭山市の「地域福祉」に関する市民アンケート調査 調査対象市内に居住する18歳以上の方(無作為抽出) 調査期間令和元年12月2日から令和元年12月27日まで 調査方法無記名方式(郵送配付・回収) 配布数1,999通 有効回収数811通(回収率40.57%) A狭山市の「地域福祉」に関する団体アンケート調査 調査対象市内に事務局等を置く地域福祉活動団体 調査期間令和元年12月2日から令和元年12月27日まで 調査方法無記名方式(郵送配付・回収) 配布数235通 有効回収数160通(回収率68.09%) Bパブリックコメント 実施期間令和2年11月11日から令和2年12月9日まで 閲覧場所社協の事務所(社会福祉会館、狭山市駅東口事務所、老人福祉センター3館)及びホームページ 意見数件(人) C社協職員ワークショップ 実施期間令和2年10月15日から令和2年11月12日まで(全3回) 講師等ファシリテーター:山ノ内凛太郎氏(合同会社ActiveLearners)、 アドバイザー:諏訪徹氏(日本大学教授) 内容第4期計画(案)の共有、さやまプロジェクトについて 3基本理念 「人が人をささえみんなにやさしい元気なまち」 地域には様々な人が住民として暮らしていて、地域に対する思いも様々です。 私たちが暮らす地域をより豊かなものにしていくには、支える側、支えられる側といった一方的な関係性ではなく、誰もが支える側にも、支えられる側にも成り得るといった認識を持って、お互いを認め合い、支え合う関係性を築くことが大切です。 そのため、第3期狭山市地域福祉計画(兼)地域福祉活動計画である狭山市地域福祉推進計画 (以下「第3期計画」という。)の基本理念を引き継ぎ、 行政計画である第4期狭山市地域福祉計画と本計画の基本理念を揃えることで、 引き続き狭山市全体で地域福祉の推進を図ります。 4スローガン 〜みんなでつくる「ワクワクする『ふくし』」〜 基本理念「人が人をささえみんなにやさしい元気なまち」を実現させるため、 地域住民の自発的な取り組みこそが、地域社会の持続可能性を引き出すこと、 また、地域福祉に参画する人みんなが楽しみ、感動できる「ふくし」のまちづくりにつながることを意識した合言葉です。 令和元(2019)年度に狭山市で開催した「第13回全国校区・小地域福祉活動サミットINさやま」で、 「仕様書のない活動を皆で話し合い、皆でつくり上げていくからこそ、地域福祉活動は面白い」という話が出ました。 活動するワクワク感を楽しみ、そのワクワク感を活動の外にいる人たちへ拡大していけるように期待を込めた合言葉でもあります。 第13回全国校区・小地域福祉活動サミットINさやまの写真 5計画の位置付け 本計画は、住民や福祉事業者などの協働により、地域福祉の推進のために取り組んでいくことをまとめた民間の行動計画です。 一方で、狭山市では高齢者や障害者などの分野別計画を地域という視点で横断的につなげ、健康福祉部門の上位計画として、これからの福祉の将来像、理念や仕組みなどをまとめた「狭山市地域福祉計画」(行政計画)を策定しています。 地域福祉の推進を図るためには、行政計画である地域福祉計画や、令和3年度に策定予定の地域福祉を推進する団体である社協の運営方針や取り組み内容を定める社協強化・発展計画と連携し、狭山市における地域福祉推進の一角を担う計画として位置付けます。 計画に位置づけのイメージ 6計画の期間 第4期狭山市地域福祉活動計画の計画期間は、狭山市地域福祉計画と一致させ、相互に連携・補完しながら計画を推進できるよう、令和3(2021)年度から令和7(2025)年度までの5年間とします。 なお、第2期計画及び第3期計画に掲載していた支部地域福祉活動計画については、介護保険法の生活支援体制整備事業における第2層協議体を推進する中で、支部社協と第2層協議体との役割をどう整理していくのかなどの課題が生じており、地域における地域福祉のプラットフォーム機能の構築を再検討するなかで、今後の地区地域福祉活動計画のあり方を見直しすることとしました。 地域福祉活動計画地域福祉推進計画(第3期計画)平成28年度から令和2年第4期地域福祉活動計画令和3年度から令和7年度 地域福祉計画地域福祉推進計画(第3期計画)平成28年度から令和2年度第4期地域福祉計画 地区地域福祉活動計画支部地域福祉活動計画をもって地区地域福祉活動計画に対応平成28年から令和2年度地区地域福祉活動のあり方の見直し 7第4期狭山市地域福祉計画との連携 本計画は、狭山市が策定する第4期狭山市地域福祉計画の理念をはじめ、 今後の地域福祉を推進する方向性を揃え、地域住民や地域福祉活動団体が行う活動・取り組みの独自性を活かしながら、 市の計画と連携を図り、計画を推進していきます。 8地域(圏域)の考え方 地域福祉を進めていくためには、市全域で取り組むこと、市内各地域で取り組むこと、地域住民が暮らす身近な小地域で取り組むことなど、それぞれの範囲の特徴を生かした活動を展開していくことが重要です。 【第1層:市全域】 第2層や第3層では取り組みにくい活動や、市全域で取り組んだ方が効果の高い活動などを行います。 【第2層:福祉圏域】 各種団体・機関の連携を図り、課題の掘り起こしを行うとともに、それを解決する活動の開発などに取り組みます。 【第3層:小地域】 自治会、隣近所など見守りやつながりづくりなど、身近な福祉活動に取り組みます。 圏域のイメージ 【第1層:市全域】 市 社会福祉協議会 第1層協議体 市自治会連合会 市民生委員・児童委員協議会 青少年を育てる狭山市民会議市老人クラブ連合会など 【第2層:福祉圏域】 地区自治会連合会地区民生委員・児童委員協議会 支部社会福祉協議会第2層協議体地域包括支援センター 小・中学校PTA青少年育成地域会議 企業社会福祉法人NPOなど 【第3層:小地域】 自治会 民生委員・児童委員 老人クラブ子ども会 ご近所商店など 9基本目標 基本理念で示す狭山市の地域福祉の目指す姿を実現するために、基本となる目標を立て、 具体的な活動や取り組みを展開、計画の推進を実行力のあるものにしていきます。 基本目標1ひとりぼっちをつくらない地域づくり 社会や地域とのつながりを持てずに社会的孤立になり、困りごとを一人で抱えてしまう人をつくらないように「誰かの困りごとは、明日の自分の困りごと」として、地域で受け止めることができる地域づくりを進めます。 基本目標2誰もが安心できる居場所がある地域づくり 多様性を認め合い、互いに安心でき、気軽に楽しく立ち寄れる居場所を地域に広げます。 基本目標3誰もが役割・生きがいを持てる地域づくり 高齢になっても、障害があっても、生活が困難な状況にあっても、誰もが役割や生きがいを持ち、自分らしく生活ができる地域づくりを進めます。 基本目標4互いの理解が深まる地域づくり 人と人とが出会う多様な機会をつくり、接することや連携・協働することで互いに理解を深め、自分たちの暮らす地域が更に居心地の良い地域となるような取り組みを進めます。 10さやまプロジェクト 狭山市地域福祉活動計画の基本理念である「人が人をささえみんなにやさしい元気なまち」を実現するために、4つの基本目標を基にした地域の活動・取り組みを総合的に「後押し」していくことが必要です。そのために、社協が地域住民や地域福祉活動団体の皆さんと一緒に取り組むプロジェクトを「さやまプロジェクト」と名付けて推進します。 さやまプロジェクト1 「つながり」のバリエーションを増やそう 〜「つながり」づくりの推進〜 地域福祉活動を進めていくための「つながり」づくりを進め、多世代での交流や非常事態での助け合いに役立つように「つながり」のバリエーションを増やす仕組みをつくります。 さやまプロジェクト2 みんなの居場所を増やそう 〜「ホッ」とする場所をつくる〜 地域住民が自力で行ける、できるだけ近い場所に気軽に楽しく参加できる地域の居場所を増やすための仕組みをつくります。 さやまプロジェクト3 新たな「ふくし」人材と知り合おう 〜広がれ「ふくし」の輪〜 ボランティア活動やコミュニティビジネスなどの社会貢献の場に、活動者を増やしていくための仕組みをつくります。併せて、社会福祉法人や企業の社会貢献の取り組みについても推進していくための仕組みをつくります。 さやまプロジェクト4 福祉圏域における地域福祉のプラットフォームづくりを進めよう 〜「ふくし」で地域づくり〜 福祉圏域単位で「ふくし」に関係する団体が、地域生活課題についての共有を図り、今後の地域づくりを考える仕組みをつくります。 11SDGsとの関係 本計画の基本目標を推進することがSDGsの17の目標のどれと関連するのかについてのイメージを持ちやすいよう、SDGsのアイコンを使って記載しています。 【SDGs17の目標アイコン一覧】 国際連合広報センター「SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン」より 第3章体系図、基本目標及び具体的な活動事例・取組例 体系図 基本目標1ひとりぼっちをつくらない地域づくり 【課題】 ・社会的孤立により、地域とのつながりを持てずに、困りごとをひとりで抱えてしまうことで発生する問題(虐待、孤立死、自死、不登校など)が増えています。 ・地域のつながりの希薄化、困った時はお互い様という意識の低下から、「福祉」や「地域」のことは誰かがやってくれるという他人事になってしまっています。 ・「つながり=しがらみ」になることへの忌避感を持つ人がいます。 ・新型コロナウイルス感染症の影響下では、直接的に「会う」こと(対面での活動)が難しい状況も発生していています。 【現状】 ・市民アンケート調査で、自分自身が抱えている悩み・不安の相談先として「相談できる人や相談先がない」との回答が9.7%あります。 ・同調査で、地域のつながりの必要性を感じているとの回答が88.8%あります。 【対策】 社会的孤立は誰もが陥る可能性があるものです。「どうして自分だけが・・・」などの思いは当事者や当事者に近い立場でないと分からないことがあります。そのため、当事者間の交流や相談などは当事者にとって大きな力になります。一方で、当事者間だけでは視点が近すぎるために解決できないこともあるため、社会的孤立へのアプローチとして、当事者を含む地域住民と専門職とが連携・協働することが重要です。 このことから、既に関わりのある場所や相手の方がより相談しやすい、という視点を持ち、小さな相談ごとでも受付けてくれる場(電話や手紙、インターネット上を含む)や相談できる人をつくるのと同時に、専門職と気軽に相談できる関係性を積極的に広げるための取り組みを推進します。こうした取り組みの1つとして、生活支援体制整備事業の第2層協議体の中で、住民同士による相談が始まっています。また、社会福祉法人の社会貢献として、相談と現物給付などの支援を一緒にした「彩の国あんしんセーフティネット事業」なども始まっています。 なお、ひとりぼっちをつくらない地域をつくっていくためには、地域住民や地域福祉活動団体のみではなく、地域住民や地域福祉活動団体の相談ごとや困りごとを受け止める社協を含む社会福祉法人や企業、行政などの取り組みも重要です。 特に、新型コロナウイルス感染症の影響が残る時期においては、これまでの対面での活動にとらわれない新しい形での「つながり」づくりを増やしていくことが大切です。 【具体的な活動事例・取組例】 誰が行う活動か? 地域住民・地域福祉活動団体 具体的な例 @住民参加型在宅福祉サービス(有償ボランティア)による助け合い活動 A生活支援体制整備事業の第2層協議体などが行う住民同士の相談の場 B子ども食堂、無料塾などの子ども支援 Cホームスタートなどの子育て中の親への支援 Dフードバンク、フードパントリーなどの困窮者支援 Eオレンジカフェなどの気軽におしゃべりできる場 F市民後見人、市民後見NPOによる権利擁護活動 G近所での見守り活動、訪問活動(子どもの見守りを兼ねて、登下校の時間帯に合わせた買い物や散歩などの外出を含む) H気になる人に対する電話や手紙、インターネットなどを活用した見守り活動や交流の場の推進 I災害時要援護者への支援を前提とした交流活動 J日頃からの地域でのゆるやかな交流活動(祭り、運動会などのイベントを含む) Kインターネットを活用した学習会や交流活動 誰が行う活動か? 社会福祉法人・企業 具体的な例 @社会福祉法人による社会貢献活動 A法人や企業の専門性を生かした各種相談や団体などのバックアップ 誰が行う活動か? 狭山市や社協との連携・協働 具体的な例 @つながり方のバリエーションの相談や検討 A意図的な「仲間づくり」「つながりづくり」の講座や事業の実施 B専門的な福祉の知識について理解のあるボランティア育成 【SDGsとの関係性】 1.貧困をなくそう 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 8.働きがいも経済成長も 16.平和と公正をすべての人に 基本目標2誰もが安心できる居場所がある地域づくり 【課題】 ・養育上の困難、障害、認知症・介護などによる生活課題を抱えた人が存在します。 ・当事者の家族への支援体制が脆弱な状況です。 ・新型コロナウイルス感染症の影響下では、「集まって会う」こと(集合型の活動)が難しい状況も発生しています。 【現状】(令和2年10月現在) 地域での居場所活動(例示) いきいき百歳体操 数量26 地域での居場所活動(例示) オレンジカフェ 数量7 地域での居場所活動(例示) 子ども食堂 数量12 地域での居場所活動(例示) ふれあいサロン、たまり場 (コミュニティサロン協議会登録数) 数量67 【対策】 歩いて行ける距離にふらっと立ち寄れる・ホッとできる場所があると、隣近所の人と知り合うきっかけができます。社協ではこれまでに、交流の場となるサロン活動や子ども食堂の推進などの地域の居場所づくりを行いながら、地域における様々な居場所の把握に努めてきました。 今後は引きこもりがちな方や、外国籍の方など、これまで焦点が当てられて来なかった多様な地域住民が安心して集まり、交流を広げる活動も必要になると考えています。また、人生100年時代に向けた定年後の男性などの居場所づくりも考えていきます。そのためには、居場所に合わせて人を呼ぶのではなく、来てほしい人に合わせて居場所を考える視点を持つことが求められます。 誰もが安心できる居場所をつくるために、まずは来る人の多様性を認め合うことからはじめていくことが大切です。時に専門職も交えながら、来る人の特性を理解するなど、排除しない意識の醸成を図ります。 また、様々な地域福祉活動団体による連携・協働を図ることで、居場所の多世代化・多機能化を進め、その居場所が地域で引き継がれやすい環境整備を進めます。1つの活動に複数の付加価値をつけて推進します。 新型コロナウイルス感染症の影響が残る時期においては、屋内での居場所に制限が生じていることから、屋外での居場所づくりやインターネットを活用した居場所づくりも考慮して推進します。 【具体的な活動事例・取組例】 誰が行う活動か? 地域住民・地域福祉活動団体 具体的な例 @サロン活動、たまり場活動などのホッとできる場での交流活動(WEBサロンなどのインターネットを活用したものや屋外でのサロン活動などを含む) A子ども食堂、プレーパーク、無料塾などの子ども支援 B不登校・引きこもりがちの人の居場所づくり C定年後の男性の居場所づくり D年齢・性別・障害の有無等を問わない食事会・交流会 E多文化共生、世代間交流などの交流活動 F防災・減災活動を通じたつながりづくり G介護予防や体操などを通じたつながりづくり 誰が行う活動か? 社会福祉法人・企業 具体的な例 @法人・企業の所有施設の地域住民・地域福祉活動団体への開放 A地域福祉活動への職員の参画 B法人・企業と地域住民・地域福祉活動団体との協働 C年齢・性別・障害の有無等を問わない地域住民が地域活動に参加できるプログラム(支援付きの参加プログラム)の開発や協働運営 誰が行う活動か? 狭山市や社協との連携・協働 具体的な例 @認知症徘徊SOS模擬訓練などの広域かつ多職種連携をした活動 A団体同士のネットワーク化や交流 B専門的な福祉の知識について理解のあるボランティア育成 【SDGsとの関係性】 1.貧困をなくそう 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 11.住み続けられるまちづくりを 16.平和と公正をすべての人に 基本目標3誰もが役割・生きがいを持てる地域づくり 【課題】 ・少子高齢化が進み、ボランティアや福祉人材も高齢化し、人材不足となっています。 ・人生100年時代における地域での居場所と役割、活躍の場の創出が必要になっています。(2040年問題への対応。) ・支える側/支えられる側という一方通行の考え方から脱却することが必要です。 ・新型コロナウイルス感染症の影響下では、ICTへの対応も進めていくことが求められています。 【現状】(令和2年10月現在) 活動例示 あいサポート認定企業・団体数 数量16 活動例示 活動分野が「保健・医療・福祉」「子どもの健全育成」となっているNPO法人数 数量43 活動例示 住民参加型在宅福祉サービス(有償ボランティア)提供団体数 数量12 活動例示 市民提案型・行政提案型協働事業の実施団体数 数量28 活動例示 地域福祉活動スタートアップ助成事業の利用団体数(前身の地域福祉活動環境整備補助金を含む) 数量19 活動例示 ボランティアセンター登録団体数 数量22 活動例示 ボランティアセンター登録個人ボランティア数 数量361 活動例示 ボランティア活動保険加入者数(令和2年3月31日現在) 数量2,480 【対策】 人生100年時代を迎え、会社・学校や家庭以外の場所でも自分らしく生きることが人生を豊かなものにしていきます。地域には多様な知識・経験を持った人たちが集まっています。自分ではできて当たり前のことが苦手な人もいれば、自分の苦手なことが得意な人もいます。自分のできるちょっとしたことが、困っている人の助けになる。自分のちょっとした困りごとを、得意な人に助けてもらえる。そんな気軽な助け合いが、自分自身の地域における役割や居場所の創出につながっていきます。 昨今は農業・教育・情報通信・建築など福祉と異なる分野との連携・協働による取り組みも増えてきています。また、「コーヒーの淹れ方講座」からコーヒーサロンにつながるなど、自身の生活の役に立ちつつ、仲間づくりと社会貢献ができるような人を育成する場も出てきています。 新たな人材と接することによって、新たな活動の芽が生まれてきます。福祉を意識することなく、まずは人と人とが知り合うことから始めます。 なお、地域福祉活動を進めるには、1%のリーダーの覚悟、3%の気づき・行動をしてくれる人、13%の活動にのってくれる人、30%の「いいね」と言ってくれる賛同者を大切にしていくことが重要です。既に活動している人は、次のリーダーや活動者をいきなり求めるのではなく、まずは新たな賛同者を集めていくことが、結果として活動の広がりをつくっていくことにもつながります。 新型コロナウイルス感染症の影響が残る時期においては、ICTを活用した新たな役割や居場所の創出も大切です。 【具体的な活動事例・取組例】 誰が行う活動か? 地域住民・地域福祉活動団体 具体的な例 @住民参加型在宅福祉サービス(有償ボランティア)による助け合い活動 A生活支援体制整備事業における第2層協議体による地域生活課題に対応する活動の立ち上げ、居場所づくり B無料塾などでの子どもの学習支援 Cサロンや子ども食堂などの居場所づくり Dフードバンク、フードパントリーを通じた子ども支援・困窮者支援 E自分自身の生活課題を基にした新たな活動の立ち上げ(制服リサイクル、産後家庭への食事サービスなど) F自分の趣味や特技を活かした社会貢献活動 誰が行う活動か? 社会福祉法人・企業 具体的な例 @プロボノの推進 Aボランティア体験、就労準備(体験)などの受入 B定年後を見据えた社員教育など 誰が行う活動か? 狭山市や社協との連携・協働 具体的な例 @企業との連携などにも対応できるボランティアセンター等でのマッチング機能の充実化 Aさやま市民大学や公民館の講座などとの協働による人材育成 B活動財源としてのファンドレイズのあり方の検討や研究 【SDGsとの関係性】 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 8.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを 17.パートナーシップで目標を達成しよう 基本目標4互いの理解が深まる地域づくり 【課題】 ・個人や1つの団体で活動できることには限界があります。 ・福祉や地域福祉活動団体に関わるのは一部の人だけという認識があります。 ・定年延長や経済不況など地域福祉活動団体の人材や財源の確保に課題があります。 ・新型コロナウイルス感染症の影響下では、多人数が集まる会議や研修が難しい状況も発生しています。 【現状】 ・地域の中には広義での福祉である、まちづくり・教育・防犯防災などを含んだ「ふくし」に関係する協議体が複数存在し、それぞれの趣旨に沿った活動をしています。 《地域における福祉や「ふくし」に関係する協議会(例)》 自治会連合会、民生委員・児童委員協議会、支部社会福祉協議会、第2層協議体、 青少年育成地域会議、更生保護女性会、まちづくり推進会議、 学校運営協議会(コミュニティ・スクール)、APOC(地域防犯ネットワーク) ・団体等アンケート調査で、活動上の課題として上位にあるのは、「構成員の高齢化」、「新しい構成員が入ってこない」、「次のリーダー不在」、「財源の確保」となっています。 ・同調査で、他団体との交流を行っていると回答した地域福祉活動団体は58.2%ある一方で、必要性を感じているが機会を持てていない団体が23.8%あります。 【対策】 私たちの暮らす地域には、仕事や趣味、地域活動などを通じて、多様な仲間との交流を図っている方もいます。しかし、顔の見えない関係のままでは価値観の違いは排除につながりやすくなります。 地域の中では様々な団体が、広義の福祉である「ふくし」に関係する取り組みを行い、地域をより暮らしやすいように活動をしています。団体の構成員一人ひとりを見ると、同じ人が複数の団体に所属していることもあれば、そうではないこともあります。そうした人たちが自分たちの暮らす地域をより良いものにしていこうと考えても、1人や1団体にできることには限界があります。 まずは、似た活動をしている団体(者)同士が意図的に接することで、お互いの存在を知り、多様性を認め合うことで理解が進み、価値観やつながりが広がることで、自分たちの暮らす地域が更に居心地の良い地域になることが期待されます。 そのためには、多様な人が共通の関心事で集えるよう「テーマ」(例:防災、○○地区を元気にするプロジェクト)を設定し、話し合いをする機会をつくっていくことが大切です。 【具体的な活動事例・取組例】 誰が行う活動か? 地域住民・地域福祉活動団体 具体的な例 @広報誌、インターネットを活用した情報発信 A体験型・交流型のイベントの開催 B他団体との連携・協働した事業の実施 C地域福祉活動団体同士によるネットワーク化 誰が行う活動か? 社会福祉法人・企業 具体的な例 @第1層や第2層での社会福祉法人のネットワーク化 A法人・企業による地域福祉のプラットフォームへの参画 B地域福祉活動団体による取組への協力・連携・協働 誰が行う活動か? 狭山市や社協との連携・協働 具体的な例 @小地域における地域福祉のプラットフォームづくり Aあいサポート運動や福祉教育などによる福祉意識の醸成 B地域福祉活動団体や具体的な取組などの広報 Cファンドレイズの仕組みを活用した財源づくり D地域懇談会などでの意見交換 【SDGsとの関係性】 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 8.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう 【参考】「顔の見える関係」とは何か? 顔がわかる関係会ったこともない人たちの顔がわかるようになること 人柄がわかる関係どういう考え方をする人で、どういう人柄かがわかるようになること 信頼できる関係信頼感をもって一緒に仕事ができるようになること 第4章さやまプロジェクト さやまプロジェクト1「つながり」のバリエーションを増やそう 〜「つながり」づくりの推進〜 ・地域福祉活動を進めていくための、「つながり」づくりを進めるプロジェクトです。 ・対面活動+αのつながり、集まらない形でのつながりなど、集まって何かをするという従来の形だけではない、つながりのバリエーションを増やすことが、多世代での交流や非常事態での助け合いに役立ちます。 ・「つながり」をつくるための個人情報の取り扱いや、つながる意識の希薄な傾向がある集合住宅においても、「つながり」づくりの推進を考える上では必要です。 ・「つながり」づくりを考える場合、つながることと居場所をつくることは必ずしも一致するものではないため、「つながり」たいけれども多くの人が集まる場には参加できない人の存在をイメージして、つながる手段や情報提供をどのように行うかなどの想像力を働かせることが大切です。 ・「つながり」を求めてきた人や団体に合わせた、一人ひとり異なるオーダーメイド型の「つながり」方を考えるためには、どういう「つながり」を求めていて、どういう人や団体とつながれば良いのかを想像することが重要です。 (プロジェクトの具体的な概要) ○つながる意識の希薄な地域や集合住宅における「つながり」づくりを検討します。 ○集まれない時でも他の人とのつながりをつくれるように、インターネットを活用した「つながり」づくり・交流活動も視野に入れます。インターネットを活用する場合はお互いに不愉快な思いをしないようにインターネットリテラシーを身につけるなどの配慮を心がけます。 ○インターネットを活用しない人も孤立しないよう、対面、手紙などの紙媒体や電話などでの「つながり」づくり・交流活動も行うなど多様な方法を考えて、活動を行います。 いつ随時 どこで市全域(福祉圏域ごと) 誰が社会福祉協議会や地域福祉活動団体が一緒に 何を地域住民の交流活動を促進する (展開イメージ) さやまプロジェクト2みんなの居場所を増やそう 〜「ホッ」とする場所をつくる〜 ・サロン、たまり場、子ども食堂などの地域の居場所を増やすためのプロジェクトです。 ・地域住民が自力で行ける、できるだけ近い場所に気軽に楽しく参加できる機会をつくります。 (プロジェクトの具体的な概要) ○地域福祉に携わるボランティアや地域福祉活動団体等により、ふれあいサロンやたまり場、子ども食堂などの地域の居場所を増やします。 ○支えられる側/支える側という区別をできる限り無くして、参加をしている人みんなでその場をつくっていく意識を醸成し、一人ひとりがみんなの居場所という意識を持つように活動します。 ○地域福祉活動団体の連携・協働により多世代化、多機能化を図ります。 ○特に子ども食堂では、高校生や大学生の関わりをつくることで、将来の福祉人材の育成にもつなげていきます。 いつ随時 どこで自治会館や公民館、個人宅、屋外など 誰が地域福祉に携わるボランティアや地域福祉活動団体等 何をふれあいサロンやたまり場、子ども食堂などの地域の居場所をつくる (展開イメージ)? さやまプロジェクト3新たな「ふくし」人材と知り合おう 〜広がれ「ふくし」の輪〜 ・ボランティア活動やコミュニティビジネスなどの社会貢献の場に、活動者を増やしていくためのプロジェクトです。 ・社会福祉法人や企業の社会貢献として、社員によるプロボノとして活動への参加促進や農福連携による取り組みなどにより、新たな「ふくし」人材との出会いやつながりを広げます。 (プロジェクトの具体的な概要) ○ボランティアセンターによる講座や市民大学での講座などを通じて、自分自身が何気なくしていることが、社会貢献につながることへの気づきを周知します。 ○現在の活動にプラスαとなる人材を既に活動をしている人からの紹介によって、増やしていくなど、「ふくし」の輪を広げられるように結び付けていきます。 ○企業が取り組むCSR(企業の社会的責任)やSDGSの取り組みと地域福祉との連携を図ることを推進するため、企業への情報発信を行います。 ○ボランティアやプロボノなど様々な分野の活動者が集い、活動の楽しさを共有できる場をつくります。 いつ随時 どこで市全域 誰が地域福祉に携わるボランティアや地域福祉活動団体、その他関係者等 何を活動者を紹介する仕組みに参加する (展開イメージ) さやまプロジェクト4福祉圏域における地域福祉のプラットフォームづくりを進めよう〜「ふくし」で地域づくり〜 ・福祉圏域単位で「ふくし」に関係する団体が、地域生活課題についての共有を図り、今後の地域づくりを考えるプロジェクトです。地域づくりには、将来を担う子ども達のことも含め、地域を楽しく、地域を好きになってもらうために連携・協働するという視点を持つと広がりが出てきます。 (プロジェクトの具体的な概要) ○福祉圏域にある地域生活課題などに取り組みをしている協議体や団体との交流を図ります。 ○話し合いの場では、「ふくし」に関係する協議体・団体のそれぞれの取り組みを共有し、地域生活課題に対して連携・協働できることの検討を行うことで、「ふくし」を大きなテーマとした地域づくりを行います。 ○狭山市の取り組み(地域ケア会議、協働事業)と連動しながら、地域生活課題を地域で解決していく仕組みの検討を継続的に行い、必要な取り組みに結びつけます。 いつ毎年1回以上 どこで各福祉圏域 誰が地域づくりを進める住民主体の協議体や団体が社会福祉法人や相談支援機関と連携して 何を意見交換会・情報交換会を行い、第5期計画に向けて福祉圏域ごとの推進体制の整備を図る (展開イメージ) 【参考】 ○プラットフォームとは何か? 最近、ネットワークに関連していろいろな分野で「プラットフォーム」という言葉が使われるようになりました。「ネットワーク」はお互いが「網状の組織」のようにつながったものであるのに対し、「プラットフォーム」はそのつながりを支える「基盤」「土台」「システム」を指すことが多いようです。 いま、新しい時代に即した、地域コミュニティを再生するためには、この「プラットフォーム」という考え方が必要だと言われています。それは、地域課題、生活課題が行政やボランティア・NPOの単体だけ、あるいはそれらが連携したネットワークだけでは解決が難しい面があり、さまざまな地域資源が一体化した「プラットフォーム」として解決にあたる必要があるからです。 福祉圏域内 自治会ご近所 支部社協第2層協議体 ボランティア 当事者団体 社会福祉法人 NPO 相談支援機関 企業、商店 老人クラブ 子ども会 学校 PTA 民生委員・ 児童委員 から課題把握受け止め 地域の基盤づくり 地域住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくり (福祉圏域における地域福祉のプラットフォーム) 【1】地域福祉を推進するために必要な環境の整備 (他人事を「我が事」に変えていくような働きかけ) ⇒ 普段のそれぞれの団体活動を少しだけ地域生活課題を解決するための活動を 取り入れる 【2】地域の課題を包括的に受け止める場 【地域福祉活動団体が福祉圏域でのプラットフォームに参加するメリット】 ・団体同士、お互いにできることが増える ・新しい担い手を増やすことに繋がりやすくなるなど 解決 地域の基盤づくり 福祉圏域内 自治会ご近所 支部社協第2層協議体 ボランティア 当事者団体 社会福祉法人 NPO 相談支援機関 企業、商店 老人クラブ 子ども会 学校 PTA 民生委員・ 児童委員 第5章地域福祉活動計画の推進と評価 1地域福祉活動計画の推進について 地域福祉活動の主役は、地域住民(地域福祉活動団体を含む)です。 本計画を推進するには、地域住民が地域の課題を自分事として捉えるために役割を持つこと、地域福祉活動団体の活動が評価され、意欲的に取り組めることが大切です。 また、様々な地域住民や地域福祉活動団体などが専門機関や企業などの協力を得て本計画を推進できる体制をつくっていくことが重要です。 2地域福祉活動計画の進行管理 本計画の進行管理を行うため、地域福祉に関する学識経験者や地域福祉活動者、社会福祉法人、狭山市などから構成され、社協が事務局となる「(仮称)狭山市地域福祉活動推進会議」を新たに設置し、「さやまプロジェクト」ごとの推進体制を整えるとともに、狭山市が策定する地域福祉計画と連携し、進行します。 なお、本計画の点検・評価については、PDCAサイクルに基づいて実施し、計画の評価や見直しした内容については、社協ホームペーシなどを使用して広く公開します。 3地域福祉活動計画の評価 本計画の評価は、地域福祉活動団体等の数量や「さやまプロジェクト」の取組状況等により把握をすることとします。 なお、次期計画を検討するのにあたり、令和6(2024)年度に地域福祉活動団体等への調査を行う予定です。 4次期計画に向けた福祉圏域ごとの推進体制の整備 生活している地域により地域福祉活動の状況は異なります。そのため、本計画の推進には、狭山市が設定する福祉圏域ごとに次期計画に向けての推進体制を整備できるよう検討を進めます。 また、地域生活課題を解決するためには、自圏域だけではなく、他圏域の視点や気づきを取り入れることや、他圏域との比較の中で改めて自圏域の良さを発見することなど、第三者の視点を活用することが大切です。そのため、福祉圏域ごとの推進体制の整備状況を踏まえて、圏域を超えた交流・学びの場を市全体で設けることで、圏域同士がお互いの活動を認め合い、高め合う場の整備を促進します。 地域福祉活動計画推進の進行イメージ 4つの「さやまプロジェクト」がスタートし、それに連なる形で地域福祉活動が広がりをみせ、福祉圏域ごとの推進体制が整備されていくことが目標。 人が人をささえみんなにやさしい元気なまち 用語集 地域共創 地域の立場から志のある人達と共に新しい営みを創るボトムアップ的な取り組み。 地域共生社会 地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指す考え方のこと。 地域生活課題 福祉・介護・介護予防・保健医療・住まい・就労・教育など暮らしのあらゆる場面で起こりうる生活課題のこと。これまでの福祉分野で言われてきた「福祉課題」よりも幅広い内容を示している。 持続可能な社会 将来にわたり、健全、豊かに継続できる社会のこと。 SDGs 2015年に国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称のこと。2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットから構成されている。 地域福祉計画 社会福祉法第107条に規定された市町村による行政計画のこと。平成30年4月から施行の改正社会福祉法によって、地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉の各分野における共通的な事項を記載する、いわゆる市町村における健康福祉部門の「上位計画」として位置付けられるようになった。 第13回全国校区・小地域福祉活動サミットINさやま 小・中学校区や自治会などの小地域で福祉活動に携わっている方々が全国から集い、お互いの活動の活性化を目的に行う学びと交流の場である「全国校区・小地域福祉活動サミット」が、令和2(2020)年1月25日〜26日に狭山市で開催(主催は実行委員会及び社協)され、当日は狭山市民を含め36都道府県から990名が参加した。 生活支援体制整備事業 平成27年4月から施行の改正介護保険法により、市町村の日常生活圏域ごとに「生活支援コーディネーター」と「協議体」を配置して、地域住民の互助による助け合い活動を推進し、地域全体で高齢者の生活を支える体制づくりを進める事業のこと。 第2層協議体 平成27年4月から施行の改正介護保険法により、支援を必要とする軽度の高齢者が増加する中で、住民主体の生活支援を充実させるため、福祉圏域ごとに設置することになった協議体のこと。狭山市では、支部社協と同じ圏域で設置することとし、令和2年4月1日現在、入間川、富士見、入曽、奥富、柏原、水富、狭山台の7圏域で第2層協議体がある。 支部社協(支部社会福祉協議会) 地域住民や地域内の各種福祉団体の構成員から成り立つ福祉圏域の住民組織のこと。令和2年4月現在、狭山市では入間川、入間川東、富士見、入曽、堀兼、奥富、柏原、水富、新狭山、狭山台の10支部がある。市町村によっては、地区社協、校区社協などという言い方をする。 コミュニティビジネス 地域課題の解決を「ビジネス」の手法で取り組むものであり、地域の人材やノウハウ、施設、資金を活用することにより、地域における新たな創業や雇用の創出、働きがい、生きがいを生み出し、地域コミュニティの活性化に寄与するものと期待されている。 彩の国あんしんセーフティネット事業 埼玉県内の社会福祉法人による社会貢献活動として、埼玉県社会福祉法人社会貢献活動推進協議会が既存の制度では対応しきれない制度の狭間の問題や、生活困窮等の新たな福祉課題に対応するために、協議会に参画をしている社会福祉法人が協働して、社会貢献活動としての相談支援事業を実施している。令和2年10月現在、狭山市内では社協のほか、3法人4施設が協議会に参画をしている。 住民参加型在宅福祉サービス(有償ボランティア) 昭和60年代から非営利で有償・有料の福祉サービスとして広がった、制度の枠にとらわれず、住民同士がお互いさまの感覚で生活全体を支え合う活動のこと。地域住民がお互いに助け合い、支え合いながら活動することが特徴であり、活動を継続させるために、多くが会員制と有償性の仕組みをとっており、利用者も費用負担があることで、必要なときに気兼ねなくサービスを受けることができる。 子ども食堂 地域住民や自治体が主体となって、無料または低価格で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場のこと。地域交流拠点と子どもの貧困対策という2つの役割があると言われている。 無料塾 経済的に苦しい家庭の子ども達に無料で学習支援を行っている塾のこと。 ホームスタート 未就学児が1人でもいる家庭に、研修を受けた地域の子育て経験者が訪問する「家庭訪問型子育て支援ボランティア」のこと。親の気持ちに寄り添うことを焦点にした支援のため、ベビーシッターや家事の代行はしていない。 フードバンク 安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などから寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動のこと。 フードパントリー ひとり親や生活困窮者など、生活に困っている人々に食料を無料で配布するための地域の拠点のこと。 オレンジカフェ 認知症の人、介護者、地域の方などの認知症に関心のある人誰もが集うことができ、お茶を飲みながら気軽に話ができる場のこと。 市民後見人 認知症や知的障害・精神障害等のある人への支援の1つである成年後見制度(判断能力の不十分な方々を保護し,支援する制度)において、親族や専門職以外の地域住民による成年後見人のこと。住民感覚を生かしたきめ細やかな後見活動ができ、地域における支えあい活動に主体的に参画する人材として期待されている。個人で成年後見人となる負担を減らすため、市民後見人を担う地域住民がNPO法人を設立し、法人で市民後見人(市民後見NPO)として活動する場合もある。 権利擁護活動(16ページ) 認知症や知的障害・精神障害等により、物事が判断できなくなった方々の権利を守り、その方が安心して自分らしく生活が送れるよう支援する活動。 災害時要援護者 高齢者、障害者、乳幼児、傷病者等で、災害発生時の避難等に何かしらの支援を要する人のこと。 社会福祉法人による社会貢献活動 社会福祉法第24条第2項により、すべての社会福祉法人に対して責務とされた、地域における公益的な取り組みのこと。都道府県域での取り組み、市町村域での取り組み、法人単位での取り組みと重層的な取り組みがある。 ふれあいサロン 地域の中で仲間づくりや異世代交流を行い、人と人とを結ぶふれあいの場として、地域住民が運営するサロンのこと。地域住民による自由な発想のもと、仲間づくり・居場所づくり・ 生きがいづくりにつながる活動を行っている。社協で登録のもと、立ち上げ時などの支援をしている。 たまり場 仲間がいつも寄り集まる場所のこと。社協での登録がないため、便宜上、ふれあいサロンと別けている。 プレーパーク 「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、子どもが「やってみたい」と思うことを、なるべく何でも実現できるよう目指した遊び場のこと。 多文化共生 国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと。 認知症徘徊SOS模擬訓練 認知症になっても、安心して暮らせるまちづくりにすることを目的に、道に迷った認知症高齢者を地域の方々の結集で早期発見し、災難から守り安全な場所への誘導や保護、事故を未然に防ぐ訓練のこと。訓練を通して、認知症の理解と認知症と思われる方への声の掛け方と対応、地域ネットワークの必要性を学ぶことができる。 2040年問題 現役世代(生産年齢人口)の急減により、介護・福祉における人手不足、社会保障費のさらなる増大が懸念されている問題のこと。65歳以上の高齢者人口がピークになる年とされている。 ICT 「Information and Communication Technology」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを意味する言葉のこと。ICTを活用したシステムやサービスが普及することで、社会インフラとして新たなイノベーションを生むことが期待されている。 あいサポート(運動) 障害のある方が困っていることなどを理解して、障害のある方に対してちょっとした手助けや配慮を実践することにより、障害のある方が暮らしやすい共生社会を地域住民と一緒につくっていく運動のこと。 市民提案型・行政提案型協働事業 狭山市が行う事業で、公共的な課題の解決に向けて市民が市と協働で実施したい事業を自由に提案する「市民提案型協働事業」と市が抱えている課題の中で協働事業に相応しい事業を市が提案し、そのパートナーを募集する「行政提案型協働事業」の2種類の協働事業がある。 地域福祉活動スタートアップ助成事業(21ページ) 地域福祉活動団体の立ち上げ支援のために社協が行っている助成事業のこと。平成29年度までは狭山市が地域福祉環境整備補助金として、地域福祉活動団体の立ち上げ支援を行っていた。 ボランティアセンター ボランティアに関する事務を行い、ボランティアの活性化を図る組織のこと。狭山市の場合は、社協内に設置されている。 プロボノ ビジネスパーソンが自分の専門知識やスキルを活かして行う社会貢献活動のこと。 さやま市民大学 狭山市の事業で、活力ある地域社会の実現とまちづくり活動を担う人材の育成を目的として、幅広い世代が学ぶ大人の学舎のこと。学校教育法上の「大学」ではない。 ファンドレイズ 民間非営利団体の活動のために行う、寄付・会費・事業収入・助成金などの資金調達のこと。ファンドレイジングとも呼ぶ。 コミュニティ・スクール 学校と保護者や地域住民がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進めるための仕組みのこと。 福祉教育 教育分野と社会福祉分野が重なり合い、子どもたちの学びの支援から地域住民に対する生涯学習の視点まで幅広くとらえることのできるが、どの視点であっても「ふくし」について考える取り組みのこと。 地域懇談会 数年先の地域コミュニティを考える話し合いの場のこと。社協が「小地域福祉ネットワーク」を築く際に、地域のさまざまな活動をしている方々を知るきっかけとして行う、顔合わせ交流として活用することもある。社協が行う地域懇談会の場合、地域住民、福祉施設、専門機関、地域福祉活動団体、福祉活動をしている人などに参加を呼び掛けて行うことが多い。地域座談会という場合もある。 インターネットリテラシー インターネットの情報や事象を正しく理解し、それを適切に判断、運用できる能力のこと。インターネット上でのトラブルに巻き込まれないため、インターネットの情報に振り回されるのではなく、自分の意志で情報を取捨選択し、使いこなす能力が必要とされています。 マンションサミット マンションでの地域生活課題に対応する先進事例を互いに学びあい、交流しながら、住んでいるマンションで「支え合えるつながりづくり」を考える取り組みのこと。 地域ケア会議 多職種の専門職の協働の下で、(1)高齢者個人に対する支援の充実と、(2)それを支える社会基盤の整備を同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法として市町村や地域包括支援センターが開催する会議体のこと。 資料 1地域福祉活動計画策定委員会 ■委員名簿(氏名五十音順、敬称略、区分の役職は令和2年4月1日現在) 氏名区分備考 1井村桂子知識経験を有する者(サロン103運営者・狭山手をつなぐ親の会) 2大内輝夫知識経験を有する者(ボランティアの止まり木代表) 3苅谷浩三各種福祉計画における関係者(障害者団体連絡会代表世話人) 4篠原一 各種団体の役員及び社会福祉事業関係者(社会福祉法人こぶし福祉会) 5澁谷ヒサ子知識経験を有する者(笹井ふれあいの会会長、民生委員・児童委員)副委員長 6諏訪徹知識経験を有する者(日本大学文理学部教授)委員長 7関口武男各種団体の役員及び社会福祉事業関係者(前:入曽地区自治会連合会長) 8田辺赳夫各種福祉計画における関係者(社会福祉審議会会長) 9堤千佐子各種団体の役員及び社会福祉事業関係者(堀兼・奥富・新狭山地域包括支援センター管理者) 10寺島康子知識経験を有する者(NPO法人なごみテラシマ代表) 11中島憲昭各種団体の役員及び社会福祉事業関係者(前:社会福祉協議会入間川支部長) 12中村ルミ子知識経験を有する者(コミュニティカフェココベリー運営者) 13野村政子知識経験を有する者(東都大学ヒューマンケア学部准教授) 14東温子各種福祉計画における関係者(狭山ひかり幼稚園園長) 15安永康枝知識経験を有する者(ささえあい狭山運営委員会委員) ※任期:令和2年4月1日〜令和3年3月31日 2地域福祉活動計画検討職員会議・事務局 ■職員名簿 氏名役職備考 1日出間謙一事務局長 2田渕隆史事務局次長兼地域福祉担当主査 3高橋彰事務局次長兼総務担当主査 4菊池隆博総務担当主査 5天谷都紀子地域福祉担当主査 6畑中敦地域福祉担当主査 事務局兼務 7橋邦之地域福祉担当主査 8川上岳洋地域福祉担当主事事務局兼務 9森美咲地域福祉担当主事事務局兼務 10辻澤智地域福祉担当事務局 3地域福祉活動計画の策定にあたっての意識調査 令和元年度に狭山市と社協が協働して実施し、令和2年4月に報告書としてまとめました市民アンケート調査と団体等アンケート調査については、狭山市社会福祉協議会のホームページに「地域福祉に関するアンケート調査報告」として掲載していますので、ご参照ください。 狭山市社会福祉協議会http://www.sayama-shakyou.or.jp/about/plan/index.html 第4期狭山市地域福祉活動計画 発行年月令和3(2021)年3月 発行社会福祉法人狭山市社会福祉協議会 〒350-1305 埼玉県狭山市入間川2丁目4番13号 狭山市社会福祉会館内 TEL04−2954−0294(代表) FAX04−2954−4343 Eメール daihyou@sayama-shakyou.or.jp ホームページhttp://www.sayama-shakyou.or.jp/ Facebookhttps://www.facebook.com/sayama.shakyo/ YouTube「狭山市社会福祉協議会」チャンネル